伊豆石コラム第六号
南豆製氷の保存活動が遺したもの
南豆製氷の保存活動が遺したもの
「南豆製氷を未来へ!―建造100周年企画展」
日時:2023年11月3日(金)~12日(日)10:00~16:00(水曜休館)
場所:下田市 旧澤村邸 蔵ギャラリー&展示室(ペリーロード/下田市三丁目16-10)
主催:南豆製氷応援団
入場無料/カンパ歓迎
伊豆半島最大級の石造建築で、長きにわたって港町下田の漁業を支え続けた旧南豆製氷所は、大勢の人々を巻き込んだ保存運動の甲斐なく、2014年に解体されました。
南豆製氷が建てられたのは大正12年、2023年は建造100周年に当たります。 この建物を守ることができた世界線があるならば、そこでは年間を通じて様々な記念イベントが開催されていることでしょう。その世界線で生きられないことが残念です。
保存運動が契機となって形成されたコミュニティや人と人とのつながり、それぞれに夢見た下田の未来など、南豆製氷と共に失われたものは二度と戻ってきません。
ただ、保存運動は「正のレガシー」にもつながりました。南豆製氷を基点に生まれた「下田まち遺産」には今や154件が登録され、下田市には景観まちづくり条例ができました。 保存運動を振り返り、その成果を未来へつなげるための企画展を開催します。
南豆製氷を中心にすえた企画展はこれが最後です。この機会にぜひ下田へお運びください。