下田市中の景観でも極めて重要な「ペリーロード」。その一角に「ソウルバー土佐屋」が営業しています。
築170年の海鼠壁と伊豆石を用いた建物は、首都圏ではいまや見られなくなった横浜外国人居留地や東京銀座煉瓦街などの近代の街並みを彷彿とさせます。
そのような「ソウルバー土佐屋」は老朽化が著しくこのところ建物を解体して駐車場とする案も現実味を帯びていました。しかし、下田市内でも珍しくなってきた伊豆石と海鼠壁の街並みがまとまっての残るのはこの4棟ほどがほぼ唯一と言っても過言ではありません。下田のみならず、日本の近代都市を知る上で極めて重要なエリアです。
「ソウルバー土佐屋」では、2025年2月9日までクラウドファンディングを実施して、この危機的状況の解決を図っています。古い建物の老朽化の修繕と、それに加えてソウルバーとしての文化財の利活用を強化してく計画です。
日本では文化庁が、2019年に文化財保護法の歴史的大改正を行ったのち、指定された文化財のみならず、市民に愛されている未指定文化財の利活用が急務となっています。そのような状況下でも、未指定文化財の解体には歯止めがかからない状態です。
「文化財保存のためにクラウドファンディングを!」というのは簡単ですが、実際には手段は手間もかかり、費用もかかり、所有者も尻込みしてしまう大事業です。守りたいという意志があり、それを支えてくれる人々がいるのであれば、その想いは後世に伝えていく価値があるものだと思います。
ご興味を持っていただけましたら、クラウドファンディングページにもお立ち寄りください。